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『盤石な財務体質会社とは 』 (P/L経営よりB/S経営)

『盤石な財務体質会社とは 』 (P/L経営よりB/S経営)

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高収益型経営として3つの指標

去年の6月に高収益型経営として3つの指標を書きました。

(1)損益分岐点比率が80%以下であること

(2)1人当たりの経常利益が労働集約的な業種は250万円。製造業、卸売業、小売業等は300万円

(3)1人当たりの給与の目安として35歳位平均で600万円。45歳位平均で700万円です。

そして(1)(2)が実現していても(3)が実現していなかったら高収益型経営ではないと書きました。

この指標は私の42年間、3,000社以上の中小企業を分析して感じた数字です。

盤石な財務体質会社にするためにはB/S中心の経営をしなければなりません。

しかし高収益型経営は、P/L中心の経営です。

絶対に潰れない経営をするためには、盤石な財務体質会社にするためにはB/S中心の経営をしなければなりません。

P/LはB/Sのための手段なのです。

B/S経営こそ経営者が目指す経営でなければなりません。

B/S経営とは、良い財務体質をつくり、資金を十分に持つ経営です。

経営計画書P10にも「資金と利益を蓄積することによって業務停止による大幅な売上減少による大赤字、ミスによる多大な損害賠償、コロナ等の災害等から社員と家族を守ります。実質1人当たり1,000万円の純資産(30億円)と1年分の固定費を、預金及び金融資産で持つ会社にします」と書いて全社員で共有しています。

盤石な財務体質会社にするために4つの指標

私は盤石な財務体質会社にするために4つの指標を示します。

(1)1人当たり1,000万円の純資産(自己資本)を持つこと。10人の会社なら、1億円、30人の会社なら3億円です。純資産の目標を達成するためには、税金を払わなければなりません。3億円の内部留保するためには2億円の税金を払うということです。短期的に見れば、税金はコストに見えるかもしれませんが、長期的には会社を守る必要経費です。社会貢献の証です。

(2)自己資本比率50%以上にすること。1人当たり純資産1,000万円を超えていても総資産額に対して、自己資本比率が15%以下ではいつ潰れるかわかりません。中小企業では15%以下の会社が多くあります。最低でも30%は必要です。良い財務体質にするためには50%を超える会社にすることです。50%にするためには、利益の蓄積とともに総資産を少なくすることです。すなわち持たざる経営をすることです。B/Sの現預金以外の資産を圧縮することです。会社経営には順番があります。まず儲けて自己資本を厚くして資金を持つことです。財務をよくしてから投資するのです。失敗しても生き残れます。自己資本比率が低いまま借金をして投資している会社は多く、いつ潰れるかわかりません。財務を知らない経営者が何と多いことか。

(3)1年分の固定費を預金及び金融資産で持つ。会社経営では何が起こるかわかりません。自己資本比率が高くてもお金がなかったら会社は潰れます。例えば災害により棚卸資産の価値はゼロになったり固定資産は解体費用がかかりマイナスの財産になることもあります。このような情況でも社員と家族の生活を守らなければなりません。生活のための資金が必要です。この目安となるのが全く仕事ができなくても社員と家族を守るための資金です。私は目安として、1年分の固定費があれば2年間位の給与は払い続けられると思っています。3年あれば回復できると思っています。

(4)総資本利益率(ROA)10%以上のB/Sは過去の蓄積です。未来を保証するものではありません。B/Sにも未来志向が必要です。総資本利益率は経常利益÷総資産で計算されます。経営は利益を出し続けることにより持続します。中小企業では経常利益こそ目安にすべき数字です。ROAは利益アップと総資産の圧縮よりよくなります。総資産を圧縮すれば自己資本比率がよくなります。財務体質をよくするということは、借金を少なくし預金を増やすということです。盤石な財務体質会社とは自己資本比率を高め資金を十分に持ちROAを確保すること、すなわち自己資本比率50×ROA10=500以上の持続力を持つ会社のことです。

 

古田圡 満

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