COLUMN 汚い字シリーズ

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『経営目的は理念の実現。経営目標は数字。あるべき数字とは』 (目標は目的のための手段です)

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中小企業の真の成果は顧客への貢献です

古田土式月次決算書の表紙の裏の文章を7月号より変えました。

一般的には会社の成果は売上、利益、社員数で語られますがピーター・F・ドラッカーは、「成果は組織の内にあるのではなく、組織の外にある」と言っているように、自分の会社が儲けることではなく、お客様がどうよくなったかです。

中小企業は規模の拡大よりお客様にどれだけ貢献したかが成果であるべきだと思っています。
会社は誰のために何のためにあるのか。
それは使命感・理念を実現するためです。
これが経営目的です。
経営目的を実現するための成果として数字があります。
数字を達成することによって目的が実現します。

しかし、現実には数字ばかりに目を奪われ、理念を見失っている会社が多く見受けられます。

業績が悪くなったら、一番先に下げるべきは役員報酬なのに社員の賞与から下げる経営者もいます。

目標の数字は目的のための手段です。

 

理念の実現のために目標値は挑戦の数字です。

次に目標となる数字は何にすべきかということです。
利益計画の数字は一期間の目標値です。
すべての会社に適用できる目標値を考えました。
銀行等が分析する資料は現状を確認することはできますが、決算後3ヶ月以上経過しているので現場では使えません。
現場で使える目標値、すなわち、決算後ではなく毎月確認し、チェックし、対策を打てる指標、それは古田土式月次決算書の中で毎月算出できる指標です。
汚い字シリーズ令和6年6月号で、P/L(損益計算書)で高収益体質の会社として
(1)損益分岐点比率が80%以下
(2)1人当たりの経常利益(労働集約的な業種は250万円以上、製造業・小売業等は300万円以上)
(3)1人当たりの給与(年間総収入)平均年齢の15倍以上、平均年齢の20倍以上であれば高給与、県庁職員の給与が目安(43歳で700万円、16倍)
の3つを書きました。
この3つの目標値は理想の数字です。
ほとんどの中小企業が実現していません。
しかし(1)のf/m比率が80%〜90%の会社はいっぱいあります。
80%以上の会社は目標を80%に置けば80%になるためのシミュレーションも出来ます。
未来も描けます。
これから何をすべきかの計画もたてられます。
(2)については経常利益の絶対額ではなく、1人当たりなので経営効率が指標です。
10,000人で100億の利益を出している会社より100人で10億の利益を出している会社のほうが10倍効率的であり、生産性が高いのです。
人も同じです。
1日12時間働いて10万円の粗利を稼ぐ人間と、1日8時間働いて8万円の粗利を稼ぐ人間では後者のほうが優秀です。
(3)の給与について言えば中小企業の経営者は、人件費はコストではなく人件費は目的であると社員に言い続け、実行していけば社長と社員はお互いに尊敬と感謝の関係になると思います。
理念の実現のために目標値は挑戦の数字です。

 

目標達成の源は経営者の強い意思

経営目標がやがて実現できると強い思いを持って経営すれば実現できます。
財務体質は、B/S(貸借対照表)です。
今年の2月号で書きました。
(1)の1人当たり1,000万円の純資産を持つ。
(2)の自己資本比率50%以上は期中では仮受消費税を概算で引いて総資本を計算します。
(3)の1年分の固定費を預金及び金融資産で持つでは預金は、預金-借入金です。保険積立金、投資有価証券は加えます。
(4)の総資本利益率の利益は経常利益です。
毎月現状と目標値を確認することによって現実の数字が目標値に近づきます。
現実は目標との乖離が大きくとも経営者が経営目標がやがて実現できると強い思いを持って経営すれば実現できます。
会社の内部組織でいえば、理念の実現が成果ですから、会社の評価は規模の拡大ではなく、経営理念の浸透が評価されるべきだと私は考えています。

古田圡 満






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