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kitanaiji 汚い字シリーズ

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『中小企業の弱点は偏りと財務体質にある』 (コロナに打ち勝つための企業戦略)

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新しい商品、サービス、市場、得意先を開発

 

ある調査によると新型コロナウイルスによる経済縮小がこのまま続くと中小企業の8.2%が廃業せざるをえないという調査結果が出たそうです。

8.2%は約30万社以上です。このなかには、まだ余裕はあるが従業員に退職金を払えるうちに廃業するというのもあるそうです。

 

赤字を続けていてぎりぎりまで営業していて従業員に退職金はおろか給与も払えないで倒産する会社よりはましですが、何年、何十年と働いてくれて会社を支えてくれた人達を解雇しなければならない社長もつらいでしょうが、社員は新しい業種や職場で今迄培ってきた経験や能力を生かせないのはもっとつらいと思います。

 

私はこれまで会社をつぶさない方法は、「中小企業とおできは大きくなると潰れる」「拡大より安定」「財務体質のよさが会社と社員を守る」と言い、自分達の会社はそれを実践してきました。

だから今回のコロナ禍でもビクともしません。

 

しかし、多くのお客様はまだまだ財務体質はよくありません。

そこで私達は、対策として「借りられるだけ借りて、まず資金を確保して下さい。しかもできるだけ長い措置期間と返済期間にして下さい。

経費の見直し、資産の見直しをして会社をスリム化するとともに、新しい商品、サービス、市場、得意先を開発することにより売上の拡大をしましょう。」とアドバイスをしました。

 

 

 

偏りをなくすこと

 

これからは未来の戦略を立案するにあたって、中小企業は弱点を克服しなければなりません。それは偏りです。

中小企業の多くは商品、得意先、業界に偏りがあります。

今回のコロナ禍により大きな打撃を受けている会社は、このいずれかに偏りがあります。

飲食業、ホテル業、タクシー業、観光業、特定の会社に売り上げを依存している製造業等は大幅な売り上げの減少に直面しています。

未来の戦略はこの偏りをなくすことです。

 

うちのお客様でこの偏りをなくし、この20年間で最高利益を更新している株式会社エイコー様があります。

エイコー様は、初代の辻谷さんが創業し、今期は50期です。

創業は飲食店向けにお子様ランチのおもちゃの販売から始まり2本目の柱としてアミューズメント業界にUFOキャッチャー用のぬいぐるみを販売し爆発的な大ヒットをして過去最高の売上と利益を計上しました。

 

しかしブームが去ると売り上げは減少し、赤字になったこともあります。

3代目の社長である西谷さんが、3本目の柱であるMD事業部を立ち上げぬいぐるみのOEM提供等をしていましたが、コロナ禍により飲食業とアミューズメント業への売上は20%減なのに対し、MD事業部は売上50%アップ、経常利益は100%アップです。

会社は1月決算なのですが、上半期では売上高9%、経常利益44%アップです。

エイコー様は1つの業界、1つの商品、1社依存の偏りをしてはいけないという経営の基本に忠実です。

3つの業界に3つ以上の商品を販売し、3本目の柱であるOEM事業は中国で品質のよいぬいぐるみを作れるという強みを生かして新しい市場を開拓し、大成功しています。

私達中小企業はなかなか新商品は開発できませんが、新市場の開拓はできます。

すなわち現商品を新市場に売り込むことは、少々の資金と営業力があれば可能です。

 

今年3月に「日本で一番大切にしたい会社大賞」の特別賞を受賞した三興塗料株式会社様は、仕入れルートの強みによりエタノールを仕入れることができるので、新市場として、3月から中小クリニック、老人ホーム、デイケアサービスに営業したところ、購入先がなくて困っていることがわかり新たな得意先が獲得できました。

 

塗料業界は競争が激しいため常に価格競争ですが、新市場では競争相手がいないので定価販売できるため売上高はまだまだですが粗利益率が高いため粗利益額が多く、利益に大きく貢献しています。

 

中小企業は社長で決まります。

大変でも「ピンチはチャンス」と考え、新しいことにチャレンジして下さい。

 

古田圡 満

 

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