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【お客様インタビュー】時代や環境の変化を見つめて事業展開をする中小企業の鑑(株式会社浜野製作所 1/7)

【お客様インタビュー】時代や環境の変化を見つめて事業展開をする中小企業の鑑(株式会社浜野製作所 1/7)

本連載は、中小企業の星として、今やメディアに引っ張りだこの株式会社浜野製作所 代表取締役CEOである浜野氏へのインタビューを書き起こしたものです。

全7回に渡るシリーズものとなっていますので、ぜひ中小企業の経営のヒントを得ていただけますと幸いです。

▽動画も視聴いただけます

【出演者】
インタビュイー:
株式会社浜野製作所
代表取締役 CEO
浜野 慶一氏

インタビュアー:
株式会社古田土経営
代表取締役社長
飯島 彰仁

メディアやセミナー常連の急成長企業

飯島 今回は浜野製作所の代表取締役CEOである浜野慶一さんにお話をうかがいます。浜野製作所と古田土経営とは、月に1度の顧問契約でお付き合いがあるのですが、中小企業を指導する立場の私たちも、多くのことを学ばせていただいている会社です。

浜野 いやいや、とんでもないです。こちらこそ本当にお世話になっております。

飯島 浜野製作所は本当に下請けの鑑のような会社なんですよね。今回は、そんな会社が原石だったころの話から、そこからの輝かしい快進撃について、お聞かせいただきたいと思っています。

浜野 今でも、自分たちの会社は伸びているのかな、とは思っているのですが(笑)。当社は何か大きなきっかけがあって一気に伸びたのではなく、売上も人も増えては減ってを繰り返して今に至る…という感じでここまできています。

飯島 本当に伸びていますよ。世間の方々は一気に伸びていったという印象を受けているのではないでしょうか。今や浜野製作所は全国的に知名度も高く、雑誌にも多く取り上げられていますし、浜野さんは本も出されていて、メディアやセミナーにも引っぱりだこです。やはりそれだけ多くの方が、浜野製作所の成長の軌跡や秘訣を聞きたいということだと思いますので、今回はどうぞよろしくお願いします。

浜野 こちらこそ、どうぞよろしくお願いします。

昭和時代に金型屋として創業
時代の波を浮き沈みして今のかたちに

飯島 まずはご存知でない方のために、株式会社浜野製作所が何をしてらっしゃる会社なのか、創業の経緯も含めてお聞かせいただけますか?

浜野 私ども浜野製作所は、ものすごく平たく言うと、金属の部品加工をしている町工場です。私は二代目の経営者で、創業者は私の父親です。父はもともと福井県出身ですが、親戚や知り合いを頼って東京に出て、金属を量産するプレス加工に使う金型の職人として働いていました。その後一緒になった母の実家がある墨田区で、昭和時代の下町によくあった住まい兼菓子工場のような家屋を借りて金型屋を創業。これが浜野製作所のはじまりで、昭和43年のことでした。当時は非常に景気のよい時代で、金型をつくるだけではなく、金属部品加工も受注していました。当時は、家電や百円ライターを量産する際に必要な、小さな部品製造・加工事業も需要が多かったんですよね。

ところが時代や取り巻く環境の変化とともに、量産の仕事はどんどん海外へ移り、コストも厳しくなっていきました。その後私の代になったとき、あえて戦略的に、金型と量産の事業は残したまま、金型を使わずにできる少量多品種の金属部品加工「精密板金」を始めたんです。しかしその事業も好調だったのは、最初のうちだけです。そのうち日本中にITインフラやデリバリーインフラがどんどん整備されていき、インターネットで検索、見積もりして、注文すれば商品が宅配便で届くようになりましたからね。目に見えない競合相手がたくさんできてしまったこの時代、金属の部品加工だけで生き残っていくのは難しいと感じました。

そういった経緯があり、現在では部品加工に加えて、装置開発や設計開発、ロボット開発なども手がけています。そのほか、マネジメントやコンサルタント、というと非常におこがましいですが、ものづくりを核とした周辺ビジネスも展開している、そんな会社です。

先代から築いた思いや核はそのままに
周辺ビジネスでの事業を展開

飯島 二代目経営者である浜野さんが、紆余曲折をしながらもどうやって業績を上げていったのか。これはみなさんが興味をもっていることだと思いますが、既にヒントがたくさん出てきましたね。私たち古田土経営では、現在まで約2300社の中小企業を見させていただいていますが、なかにはもったいない事業展開のしかたをしている会社もあるんですよね。これまで培ってきた事業の、周辺ビジネスやネットワークをもっと活用したほうがいいのに、と思うことも少なくありません。浜野製作所ではこれまで、時代やニーズに合わせた戦略を立てて、結果として業績を伸ばしていらっしゃいます。浜野さんはなぜ、周辺ビジネスを展開するという選択をされたのでしょうか。

浜野 経営者のなかには、新規事業として全く異なるビジネスを提案する方もいると思います。けれども、現状で成功していない会社がほかの業界で成功できるかといえば、そんなはずがないんですよね。事業を続けていれば、良くも悪くも核となる要素があって、それこそが自分たちの積み重ねてきた大切なものであり、本来の強みであることは間違いないんですよ。私は、先代から引き継いできた思いや情熱も含めて、当社で長年培ってきたことを手放すのはあまりにももったいないと思いました。確かにこれだけでは食えないし、会社を成長させるのも厳しい。けれどもなんとかこれを核として、その周辺でビジネスを展開したほうが、小規模企業である私たちにとっては、親和性が高いのではないだろうか、と。そういった思いから、既存事業の周りでできることを模索していったんです。

飯島 中小企業の経営者には、新たな事業を展開したいが、人がいない、やり方がわからない、と実行にうつせないでいる方も多くいます。浜野さんは新規事業や会社の方向性は、すべて自分で決定されてきたのですか?

浜野 今は若いスタッフたちが中心となってくれている部分もありますが、当社でもスタッフが安定せず、する人がいないので自分でせざるを得ない時期がありました。しかし私は作業や加工などの職人仕事はできても、マネジメントやマーケティングなどに関する経験やノウハウは一切なかったので、人がいない、やり方がわからない、という状況は同じだったかもしれません。ただそういったなかで、私にとって後の事業展開をするうえでのこだわりにつながっていく、大きな出来事が起きるんですよね。

第2回に続く]

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