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kitanaiji 汚い字シリーズ

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貸借対照表は社長の人格を表す(自己資本比率の高さと資重視の経営が倒産から会社を守る)

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BS(貸借対照表)とは

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自己資本比率の重要性

 

「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」の審査委員をしていますが、応募企業には5期分の決算書を提出してもらっています。
5期間のうち、2期が赤字の会社と自己資本比率が10%以下の会社は選びません。
いつ倒産するかわからないからです。
銀行は自己資本比率15%以下の会社の格付は10点満点で0です
財務体質改善や経営計画セミナーで受講者に「あなたの会社の自己資本比率は何%ですか」と決算書のB/Sを見てもらいますが、多くの人が答えられません。B/Sを読めない社長が多いのには驚かされます。

 

中小企業のモデルにすべき会社とは

 

自己資本比率を100%にするのは不可能ですが、(現実にはあります)60%~80%にすることは可能です
自己資本比率の低い会社の共通点は、支払手形がある。
買掛金、未払金の支払期間が長い、借入金が過多であることです。

一般的には、支払期間が長く、可能な限り借金をして手許資金をたくさん持っている会社がキャッシュフロー経営をしているように思われていますが、現実には、支払いに甘い会社は、管理も甘いものですから、売掛金の回収もれ、不渡手形、不良在庫、社長貸付金、不動産、有価証券の購入等により資産が膨張しています。

反対に自己資本比率の高い会社の共通点は、手形は発行しない、もらわない。
支払期間は短く、締め後の支払いは締後30日以内。
不動産は会社では持たない。
借入金はゼロか預金≧借入金の実質無借金です。

㈱五十嵐商会様は、「支払日、人生で一番楽しい日」とし仕入先に短い期間で支払っているので同業他社に比べて信用が厚くよいものを安く仕入れているため、粗利益率も高く、損益分岐点比率は、70%以下の超優良企業です。
自己資本比率も60%を超え、銀行よりの借入金はなく、役員借入金を資本算入すると自己資本比率は84%にもなります。

私が中小企業のモデルとしている会社は、急成長している会社でもなく、上場を目指している会社でもありません。
財務体質がよく、つぶれない会社です。
預金>借入金で毎年々その差が大きくなっている会社です。

 

貸借対照表(B/S)は社長の性格を表わす

 

売上拡大ばかり目を向けて利益が少なく、借金が多く、自己資本比率の低い会社は、成長しているのではなく、膨張しているのでとても危険な会社で心配です
毎年2,000社以上の決算書を見ていますが、貸借対照表(B/S)は社長の性格を表わしています
あらゆる無駄をそぎ落としたB/Sを作り上げている社長は数字に強く、事業の拡大より会社の存続と社員の生活の安心と安定を第一に考え、そして自己資本の充実を何よりも優先されています
節税はするが多くの税金を払っていることに誇りを持っています
また資金を潤沢に持っているため、3期間位、大幅な赤字になっても社員の賞与は減額しないと言っています。

一方でB/Sを見て、この会社いつまで持つだろう、社長がB/Sを読めないため、こんなに多額の借金と利息を払っている。
実力以上の設備投資をしている。
この投資に失敗したら会社は倒産するのにと思うような会社もあります。

自己資本比率は最低でも30%は必要です。
60%が理想です。無借金になります。
預金は、月商の3ケ月などというP/Lの数字ではなく、総資産の30%を持ちましょう。
自己資本比率30%=預金30%ならば自己資本額と同額の預金を持つ。
そして、いかなる困難、不況が来ても生き残れる会社にするために資金は無借金で年間固定費の最低1年分、できたら2年分を持ちたいものです。
可能かどうかではなく、やるかやらないかという社長の決断です
自己資本比率の目標、預金の目標、無借金にするという目標があるから、それに向かって努力するわけです。

財務体質は、経営者の性格を表わしています。
私は「数字は人格」という言葉を社員には絶対使いません。
聞いている社員の心がすさむからです。
しかし、B//Sは社長の人格です。
人格の優れている社長のB/Sは美しく筋肉質で無駄がありません
絶対つぶれないという安心感があります。
これからはB/S重視の経営です。社長、B/Sを勉強しましょう。
「社長見事なB/Sですね」と言える会社を一社でも多くしたいです。
子供が大人になるに従って人格が向上するように、会社も期を重ねるごとに自己資本比率を高め、資金を充実させ社格を向上させましょう。

 

古田圡 満

 
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