成長への道筋
中小企業の成長における原理、原則
今年1年を振り返ってみるとよい事、悪い事いっぱいあったと思います。
「まさか」と思う失敗もいくつかありました。
創業31年、客数1,800件、社員数140名超、売上高(粗利益)13億円、経常利益3億円を超える会社になりました。
振り返ってみると失敗の連続で満足する年は1度もありません。
ただただ運がよかったとしか思えません。
お客様、社員のおかげです。
会社を成長させようと思うときに中小企業の原理、原則がないか考えてみました。
中小企業の経営は1と3の組み合わせ
私は開業して間もなく目標を設定しました。
1、10、100、1000。
すなわち、1億の経常利益、10億の売上高、100人の社員、1000件のお客様を実現する会社にするという目標です。
今の目標は何年後か何十年後かですが、3、30、300、3000です。
中小企業の経営は1と3の組み合わせですることです。
1人で起業したらまず3人の会社を目指す。
3人になったら10人の会社になるように頑張る。
10人までは社長1人の努力でなんとかなります。
時間も長くはかかりません。
10人になったら20人ではなく30人の会社を目標にする。
30人の会社にするために片腕と言われる価値観の合うNo2に出会う。
No2は育てるのではなく出会うものです。
資質があるものしかなれない、よい人財に出会うためにも経営理念や経営計画書を作って、自分の価値観を明確にして、価値を共有するものを採用する。
そのなかにNo2の人財がいます。
営業力や技術力のあるもので価値観の違うものをNo2や役員にすると会社は内部の敵のために崩壊します。
30人の会社になったら、100人の会社を目指します。
50人、70人では駄目です。常に3倍を考えます。
3倍で考えないと新商品・新サービスの開発が過去の延長線上になり、考える経営をしなくなります。
100人にするためにはNo2の他に優秀な3人の役員が必要です。
1人は営業のプロ、1人は生産のプロ、1人は管理のプロです。
3人の幹部は育てます。
3人の優秀な幹部が育つと中小企業でも100人を超える会社になります。
売上も1,000万円→3,000万円→1億円→3億円→10億円→30億円→100億円と成長していきます。
経常利益も1,000万円→3,000万円→1億円→3億円→10億円と増えていきます。
人財の成長なくして会社の成長はない
中小企業は大きくするより、経常利益1億円を目指すべきです。
売上高を目標にして拡大していくと成長ではなく膨張だからです。
例えば1店舗の利益が出ていないのに店舗を増やす。
赤字店舗はキャッシュフローが、借入金の返済で大幅なマイナスになります。
まずお金が回らなくなる。
そして人財の育成が出来ていないので質が悪くなる。
拡大の一番の障害は人財です。
「人財の成長なくして会社の成長はないと心得るべし」。
私は中小企業は30人位が平均ですが、100人以内が適正規模ではないかと思っています。
優秀な幹部を数多く育てられないからです。
後継者と優秀な幹部を育て、拡大よりも利益を重視し、P/LよりもB/Sの財務体質の改善に重点を置き、キャッシュフローをよくする。
つぶれにくい会社にして、社員の雇用を守り、社員と家族が安心して働ける会社にすることが大事です。
上場できる会社はほんの少数です。
上場したからといって社員が幸せになれるかと言うと現実は逆です。
経営者が大切にする順序がかわるからです。
中小企業は社員と家族が一番ですが、上場企業は株主が一番です。
経営者は未来像を描き、将来どんな事業をどの位の規模にし、社員の処遇をどうしたいのか、文書にして社員に発表してほしいと願っています。
古田圡 満