『組織の拡大と人財の育成』(人財の中で最も重要なのは経営者)

採用した人材を人財に育てる
毎年4月には学卒の新入社員が入ってきます。
彼らは働くことに不安と希望、夢を持って入社してくれます。
彼らを育て、成長させ、会社と社会に貢献させる人財にするのが会社の責任なのですが、多くの中小企業では採用すら難しく、運よく採用できてもすぐに辞められてしまうのが現実です。
採用した人材を人財に育てることが会社の成長に欠かせません。
中小企業が成長していくときに、部下を育て支援できるトップ、管理職がいるかが大きなポイントと思っています。
会社の売上はマーケッティングとイノベーションにより顧客を創造していけば上がり続けますが、人財がいなければ限界となりやがて組織は崩壊します。
人づくりが欠かせません。
私は独立したときから社員数の目標を決めていました。
1人で始めてまず3人にする。
3人になったら10人にする。
10人になったら30人、次は100人そして300人、1,000人とする。
すなわち1と3を基準にして拡大してきました。
今は古田土会計のみで360名になりました。(グループ450名)
会社が大きくなればなるほど人の問題が大きな問題になってきました。
組織のあり方として、社員が10人位までは、自分1人で管理できました。
30人位になるまでには、もう1人No2が必要になります。
吉田専務という優秀なNo2に出会えたので、経営計画書の方針が実行できました。
30人を超えると管理職が必要なので実務経験があり、仕事のできる人間に管理職になってもらいました。
組織の規模により管理職として要求される能力は異なる
この間にも世の中が変わり仕事のしかたも変わりました。
過去に仕事のできた社員が当時も仕事ができるとは限らなくなりました。
若くても、経験が少なくても、会社の方針通りに仕事をしている人が成果を出し、先輩より売上を上げられるようになりました。
過去に仕事のできた社員は職人タイプが多いので、部下を育てるより、自分のやり方で仕事をし、部下の管理が不得手なので、リーダーを交代してもらいました。
組織が大きくなると、その組織に見合う人も入ってきます。
組織の規模によって管理職として要求される能力は異なってきます。
元リーダーはエキスパートリーダーとして部下を持たないで仕事をしてもらっています。
自分で大好きな税務会計という仕事を定年で辞めるまで続けられることはとても幸せではないかと思っています。
私は社長を辞めて会長となり、担当を持ち、経営計画のセミナーや講演をやっています。
こんなに楽しくありがたいことはありません。
社員さんには感謝しかありません。
トップの資質として大事なこと
経済同友会の会長となった新浪さんは45歳定年、学び直しを言っていますが、大企業の優秀な社員で教育がしっかりしている会社なら学び直しができるかもしれませんが、中小企業の社員には苦痛です。
社員が安心して働き続けられる事業構造を構築するのも経営者の責任ではないでしょうか。
時代の変化とともに経営者、管理者に要求される能力は変わってきます。
私は、5年前の65歳のときに社長交代しましたが、社員数は200名でした。
品質のよい商品の開発とお客様の紹介のみによる拡大では限界だったと思います。
社長のマーケッティング(特に経営計画25時間合宿と商品開発)により大きく成長できました。
会社の成長も衰退もトップしだいですが、トップの資質として大事なことは、経営理念を最も正しく理解し、理念に基づく言動をぶれずに行なう人、社員と家族を大切にする人でなければなりません。
トップは、才より徳のある人でなければなりません。
徳はトップのみだけでなく、管理職も身につけなければなりません。
管理職は、部下を管理するのではなく、部下が育つように支援する人です。
技術教育より、人間性教育
致知3月号の巻頭の言葉に「美しい心は美しい言葉から生まれる。美しい言葉は読書から生まれる。」
古田土会計経営計画書p100に“人は言葉と動作と表情が一体となって行動する。言葉はきれいな言葉を遣う。
「ありがとう。」「感謝します。」言葉は言霊。
愚痴、悪口、汚い言葉、マイナスの言葉「てめ~」とか「バカヤロー」等は禁止、動作は心と連動する”と書きました。
特にトップ。
管理職は仕事では、部下にうしろ姿で仕事の厳しさを教え、自身の人間性を常に高める努力をし続けなければなりません。
技術教育より、人間性教育が大事と思っています。
人間性は学び続けなければ、すぐに低下します。
人間性を学ぶには、致知という雑誌がとてもよいと思っています。
4月より勉強会を始めます。
古田圡 満