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kitanaiji 汚い字シリーズ

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儲けた利益はどこに消えたか

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「儲けた利益がどこに消えたか」を明らかにするキャッシュフロー計算書

 

(株)京セラが中小企業であったころ経理責任者が
「税金を払うので借金するから借入申込書に署名捺印してくれ」
と言ってきたので、稲盛和夫さんは、
「利益が出たから税金を払うのに、税金を払うために借金をするのはおかしいのではないか、儲けた利益はどこへ消えたのか」
と質問したら、経理責任者は
「儲かった利益が現金で残っているわけではありません、借入金の返済にあてられたり、売掛金の増加になったりしているのです。」
と答えたので、稲盛さんは
「儲かった利益が現金で残っていないなら、本当は儲かっていないのではないか。」
と言ったら、
「会計上は儲かったと言うんです。」
と経理責任者は言い、禅問答をしているようだったと稲盛さんの「実学」という本に書いてありました。

そこで稲盛さんは、「儲けた利益がどこに消えたか」を明らかにするために、キャッシュフロー計算書を作りました
世間ではキャッシュフロー計算書を誰も作っていないときに独自のものを作成しました。

私はこの形を参考にして、中小企業の経営者、幹部にもわかりやすい「古田土式キャッシュフロー計算書」を作りました。

 

資金別貸借対照表でお金のストックを把握する

 

しかし、キャッシュフロー計算書は一期間のお金の流れです。
すなわち、一期間の「儲かった利益はどこに消えたか」は説明できても累計の説明はできません

累計はB/Sの純資産の部の利益剰余金がどこに使われたかを説明できなければなりません。
大事なのはフローではなくストックだからです

会社の財務体質をよくするためにはB/Sに注目し、B/Sではうまく説明できない儲けた利益がどのように使われ、どこに問題があり、どのように改善すべきかを経営者にわかりやすく説明できるものはないかと探していた時に出会ったのが、佐藤先生が開発した資金別貸借対照表なのです。

資金別B/Sは、損益資金、固定資金、売上仕入資金、流動資金の4つに分類し、損益資金が儲けた利益の累計です。
この儲けた利益が、売上仕入資金であるサイトの勝ち負けで、いくらお金が消えたか棚卸資産でいくらお金が消え、実質損益資金としていくらお金が残っているか一目瞭然にわかるようになっています。

また、固定資金として、土地、建物、機械装置等の資金運用が長期的な資金調達で賄われ、バランスがとれているのかがわかります。
このバランスが悪いと、儲けた利益は、固定資金のマイナスの補てんに使われたことになります。

 

会社の未来を資金別B/Sで対策・計画する

 

実質損益資金に十分な額があればよいのですが、この額が少ないと、ほぼ全額を長期借入金等で賄うことになります。
長期借入金の返済は実質損益資金です。

実質損益資金が少ない会社やマイナスの会社は、自社ビルや土地、建物等の大きな買い物をしてはいけないことが説明できます。
資金別B/Sは累計で儲けた利益がどこに消えたかを教えてくれるだけでなく、対策も教えてくれます
お金がない原因、借金過多の原因がどこにあるのかすぐわかります。

損益資金はあるが、実質損益資金のない会社は、売上、仕入のサイトの勝ち負けをどのように改善するか、また棚卸資産の残高をどの金額まで減らさなければならないのか、そして、固定資金の運用が大きく、借金過多で借入金返済額の多い会社は、どの資産を売却して、借入金と返済額を減らし、借入金の組み替えを行なうか等の対策を具体的にシミュレーションができます。

また経営計画で5年間の利益計画、資金運用計画により、5年後の目標P/LとB/Sが作れますが、多くの会社は売上拡大と利益拡大を目指しているので、銀行さんが作る財務格付はよくなるのですが、5年後の資金別B/Sを作ると、資金に大きな問題があることがわかります。

会社の未来は資金計画なしでは危険です

古田圡 満

 

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