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kitanaiji 汚い字シリーズ

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中小企業とおできは・・・

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多額の納税をする大企業と、全労働者の7割を占める中小企業

 

平成20年6月30日現在の法人数は、300万3千社で、このうち国税局所轄法人は3万4千社(1.1%)です。
申告納税額13兆7,036億円のうち国税局所管法人は9兆1396億円(66.7%)納税しています。

つまり、1.1%の大企業が66.7%納税しているわけです。
しかし、全労働者のうち中小企業に勤めている人は7割はいます。

中小企業とおできは大きくなるとつぶれると言われています。

 

中小企業は労働者の雇用を支えている

 

大企業は国家、国民のために多額の納税をしてもらわなければ国の財政が成り立ちませんが、中小企業の社会的使命は、上場することではなく、多額の納税をすることでもなく、まして社長の個人財産を増やすことではありません。

雇用を維持することではないでしょうか。

三越が1,000人の希望退職を募っています。
対象は40 才~59才の社員で家庭で一番お金のかかる年代の人達です。
中堅企業でも多くのお客様が売上減で苦しんでいます。

今迄は製造業の落ち込みが激しく少々は回復してきましたが、去年の9月以前の3割~5割位減ったままです。
サービス業は大幅な落ち込みはなかったのですが、少しずつ売上が減少し、下げが止まりません。

売上年計表や粗利益年計表が下降傾向のままです。
中小企業でも社員に辞めてもらったり、給与、賞与を減額する会社が増えています。

当然社員の給与・賞与を減額する前に社長、役員の大幅な役員報酬の減額はしています。
多くの会社が雇用を維持するのに必死です。

 

会社を維持するために、貸借対照表中心の経営へ

 

中小企業が雇用を維持するためにつぶれない経営をするコツは損益計算書中心の経営から貸借対照表中心の経営へ方向転換することではないでしょうか。

私はこの仕事を始めて今年で27年目ですが、中小企業で景気がよかったと思えるのは10年のうち2年から3年で、あとの7年は悪いかとびっきり悪いかです。
今がとびっきり悪い時です。ですから売上はあまり当てになりません。
拡大ばかりの計画をたてると、先にお金が出ていきますから計画どおりに売上があがらないとすぐ資金不足になります。

損益計算書は全社員でつくるものですが、貸借対照表は社長1人でつくります。
経営で大事なものは、貸借対照表です。

貸借対照表には社長がこれまでどのような経営をしてきたかが凝縮されています。
美しいB/Sと美しくないB/Sがあります。

美しいB/SとはB/Sの左側が筋肉質の男のイメージです。
固定資産が少なく現預金の多い会社です。

B/Sの右側はお尻の大きい女性のイメージです。
支払手形、借入金が少なく、自己資本が多い会社です。

このようなイメージのB/Sをこれから作り上げることではないでしょうか。

 

中小企業は、拡大より充実が最重点項目

 

B/Sのムダをなくし美しいB/Sを作りあげるためには、中小企業は、拡大より充実です。

売上より利益に重点を置き、店舗等を増やすより、一店一店の利益をあげていく。
B/Sの左側を少なくし、経費の見直しを細かくする。

例えば処分できる資産はないか、家賃は下げられないか、保証金は返却してもらえないか、不確実な売上拡大より確実なことを一つ一つ実行して、B/Sを改善していくことが中小企業が実行すべき最重点項目ではないでしょうか。

中小企業は大きくなるより、少しずつ成長してつぶれないことが大事です。
社員を守れるのは、大企業より中小企業であると私は思っています。

 

 

古田圡 満