『経営は、財務とマーケティング+イノベーションと人づくり』 (40年間の経営者人生で学んだもの)
40年間で学んだ経営のコツ
古田土会計は今年の12月31日で第40期が終了します。
私、古田圡は今月に70歳になります。
日に日に体力の衰えを感じています。
この40年間を振り返ってみると、たった1人で始めた会計事務所が今は400人を超える規模になり、完全無借金で自己資本比率は90%を超え、金融資産も年間の人件費の1.5年分を超えています。
売上高は新型コロナが発生した2020年以外は、一度も対前年比で落としたことがありません。
私なりにこの40年間で学んだ経営のコツを書かせてもらいます。
中小企業の経営は大企業の経営とは異なります
P・F・ドラッカーは、2001年に「マネージメント エッセンシャル版」で「経営の目的は、顧客の創造である。したがって、企業は二つだけの基本的な機能を持つ。それがマーケティングとイノベーションである。マーケティングとイノベーションだけが成果をもたらす。」と書いています。
私は中小企業はこれだけでは足りず、「財務」と「人づくり」が絶対必要であると思っています。
何故会社は潰れるのか、それはお金がないからです。
多くの倒産した会社の社長は、商品とか技術に自信があって起業しましたが、財務(資金)とマーケティングを知らないために倒産したと思っています。
これからも新型コロナ、急激な物価上昇によるコストアップ、又は戦争による経済の停滞はいつ起こるかわかりません。
そのような未来に対して、私達がお客様のお役に立てるのは、これらのことが起きてもビクともしない財務体質をつくるお手伝いです。
中期事業計画により5ヶ年の利益計画だけでなく、5年後の純資産額、自己資本比率、預金、借入金の目標を設定し、B/Sの資金運用で預金以外の資産を圧縮し、借金を減らし、預金を増やし、利益剰余金を増やすことが財務体質の改善です。
経営者はB/Sが読め、資金に強くならなければよい経営者にはなれません。
経営は顧客を創造できなければ生き残れない
次にマーケティングとイノベーションですが私は40年間中小企業を会計事務所から観察してみるに、倒産した会社のほとんどは時代の流れに販売している商品、サービスが適応できなかったからです。
逆に生き残っている会社、成長している会社は時代の変化、ライバルの変化に合わせて新商品、新サービス、ビジネスモデルを開発しています。
それは大変な時間や費用をかけているわけではなく、ほとんどが経営者のアイデア、知恵です。
すなわち、どのくらい経営に熱中できるかではないでしょうか。
その基本は、自社の利益のためというより、どうしたらもっとお客様の役に立てるか、社会に貢献できるかという利他の心ではないでしょうか。
経営は顧客を創造できなければ生き残れません。
社長が儲け方が下手では社員と家族は守れません。
会社は財務体質がよく、マーケティングが上手でもよい会社とはいえません。
働いてくれている社員が幸せを感じているか、社員が生きがい、やりがいを持って、生き生きと働いているかが大切です。
社員と家族を幸せにするために
会社は社員が人として、成長する場所です。
社長は、社員と家族を幸せにするために人づくりをしなければなりません。
人づくりのための最高の道具が経営計画書の方針書です。
社員教育は業績アップのためにするのではなく、人づくりのためにするものと私は思っています。
人づくりで大事なのは環境整備です。
特に挨拶、掃除、朝礼です。
毎日繰り返し、行動することによって、習慣になり、習慣が人を人として成長させてくれます。
そして何よりも大切なのは、経営者が人を大切にする経営を心がけることです。
社長が人づくりを目指さなければよい会社にはなれません。
古田圡 満