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【お客様インタビュー】経営理念に込めた想いを伝えることでスタッフの意識も変わる(株式会社浜野製作所 4/7)

【お客様インタビュー】経営理念に込めた想いを伝えることでスタッフの意識も変わる(株式会社浜野製作所 4/7)

本連載は、中小企業の星として、今やメディアに引っ張りだこの株式会社浜野製作所 代表取締役CEOである浜野氏へのインタビューを書き起こしたものです。

全7回に渡るシリーズものとなっていますので、ぜひ中小企業の経営のヒントを得ていただけますと幸いです。

▽動画も視聴いただけます

◇前回までの記事はこちら
【お客様インタビュー】時代や環境の変化を見つめて事業展開をする中小企業の鑑(株式会社浜野製作所 1/7)

【お客様インタビュー】インターンシップの受け入れが会社に新たな風を吹き込んだ(株式会社浜野製作所 2/7)

【お客様インタビュー】6歳の女の子のために受けた仕事が今の事業展開の原点に(株式会社浜野製作所 3/7)

【出演者】
インタビュイー:
株式会社浜野製作所
代表取締役 CEO
浜野 慶一氏

インタビュアー:
株式会社古田土経営
代表取締役社長
飯島 彰仁

急成長した浜野製作所が社員たちと
想いを共有できている理由とは

飯島 前回まで、浜野製作所の原点ともいえる歩みについてお話を聞かせていただきました。ここからは、気になることをお伺いしていきたいと思います。まず、当初は数名で運営されていたという浜野製作所ですが、現在スタッフは何名いらっしゃるんでしょうか。

浜野 現在はアルバイトも含めて約50名です。

飯島 ここまでのお話でも、浜野さんのなかにグッと詰まった熱い想いは痛いほど感じられました。すごいと思うのは、それを50名のスタッフみなさんと共有できている、ということなんですよね。これが時間をかけて伸びてきた会社ならわかるのですが、浜野製作所は結構速いスピードで成長されたように思えます。ですから、どうやって社長の方針や想いをスタッフと共有できたのかが、不思議でしかたがないんですよ。その秘訣はどういうところにあるんでしょうか。

浜野 これは私も、意図的に何かをしたわけではないんですよね。先ほどの話にも出ましたが、当時はとにかく業務が忙しく、そんな中職人が突然辞めると言い出すこともありました。給料や働き方、先輩との折り合いなど、理由はいろいろあったと思います。けれども当時は、求人募集から面接、採用までを全て私が担当していたので、彼らのことはよく知っていたんですよ。ですから、最初は一緒に仕事をしたいと思ってくれたはずのスタッフが何らかの理由で辞めていく、このことは業績が悪いことよりも悲しいことでした。

今考えると、その時はスタッフをただの人工(にんく)として採用していたのかもしれません。けれども今は、作業員としてだけではなく、一緒に未来をつくっていく「同士」として人を採用しています。大そうなことは言えませんし、厳しい道かもしれませんが、「日本や世界の製造業、そして浜野製作所の未来に向けて、スタッフ一人ひとりの想いや夢をこの会社で実現していこう」と。そういう意識に変わってきてからは、随分と良い形で人を採用できるようになり、風向きも良くなりましたね。

スタッフは未来を共につくる「同士」
意識の変化に伴い会社も良い流れに

飯島 けれどもなぜ、人に対する意識が「人手を補う作業員」から「未来を共につくる同士」に変わっていったのでしょうか?これには何かきっかけはあったのですか?

浜野 きっかけがあったとすれば、日本全国のさまざまな業種の中小企業の社長と、お付き合いをさせていただく機会が増えたことでしょうか。良い会社には、独特の文化や風土、取り組んでいることなど、やはりそれぞれに魅力があるんですよね。ですから、良い会社から受ける刺激が、私の意識や想い、ひいては会社のあり方に大きく影響しているのだと思います。

経営理念も意識を変える1つのきっかけを生んでくれました。当社の経営理念は、社屋が火事に遭った3年後に、そのことを入れ込んで明文化したものです。作成当初は、きれいにラミネートして社内に掲げたりしていましたが、スタッフたちは気にも留めないんですよね(笑)。また、全員の社員ケースに入れて、きちんと確認するようにと言っても、やはり誰も見てくれません。それどころか、失くす者もいたりして(笑)。

何年かはそういう状態でしたが、あるとき経営理念をつくった経緯のストーリーを、1時間半くらいかけてみんなに話したんですよ。これによって初めて、スタッフたちが「うちの経営理念にはこんな想いが込められていたのか」「そんなできごとがあったのか」と、知ることになります。そして「こんなに素晴らしい経営理念なのだから、みんなできちんと唱和して覚えよう」と、当時の製造現場担当者たちが提案してくれたんです。それ以来、当社の朝礼では、スタッフ全員で経営理念を唱和する習慣があります。

社長が「自分が納得できる良い経営理念ができた」と思って、スタッフに「みんなで覚えよう」と強制したところで、それは自己満足に過ぎないんですよね。けれども、私がその内側にある想いや背景をスタッフたちに話したとき、経営理念の意義がみんなの胸に落ちた瞬間があったんですよね。そこからは、みんなの発言や協力の仕方なども、明らかに変わっていきました。ですから、こうして経営理念に込められた想いなどを丁寧に伝えることは、全ての企業、特に小さな会社ほど大切だと実感しているんです。

それまで私は、技術や生産効率、製品不良といった面ばかりに目を向けており、会社として本当に大切な「人」には向き合っていなかったように思います。しかし、会社は何でできているのかというと、鉄筋や鉄骨ではなくやはり「人」だと。そのことを、たくさんの経営者の方々と関わるなかで、また自身がさまざまなことに取り組むなかで、感じることができたんですよね。今ではインターンシップに来てくれる学生に対しても、必ず2時間くらいかけて経理理念の話をしています。

飯島 えっ!?社長自らですか?

浜野 そうです。毎回私から経理理念のレクチャーをさせていただいています。

経営理念に共感したメンバーによって
想いの共有が広がっていく

飯島 浜野さんが出された書籍『大廃業時代の町工場生き残り戦略〜浜野製作所奮闘記〜』にも、その経営理念のことが書かれていますね。「『おもてなしの心』を常にもってお客様・スタッフ・地域に感謝・還元し、夢(自己実現)と希望と誇りをもった活力ある企業を目指そう!」この経営理念は、自社が火事に遭った時の体験をベースに、浜野さんが「これこそが仕事をする意味だ」と思われたことだったんですね。

浜野 そうなんですよ。それを形にしたらこうなったということです。作った当初は、ある意味、社長の自己満足のような形でしたが、今では社員はもちろん、パート・アルバイトも全員、この経営理念をそらで言えますよ。

飯島 経営理念はただの字面ではないということですよね。なぜここで働くのか、何のために仕事をするのか、その意味を社長が50名のスタッフからインターンシップ生にまで話して、全員とその想いを日々共有されているんですね。技術や業績面も、もちろん大切なことですが、その前に我々が把握しておくべきなのは、働く意味や意義であるということがよくわかりました。

浜野 そうはいっても、月日が経つにつれて最初の感動は薄れていくものです。ですから、繰り返し同じ話をしたり、時にはそれ以前やそれ以後にあったことを話したりと、手を変え品を変えながら伝え続けています。また、経営理念のほかにも行動指針というものがあり、ここには「速いこと、行動に移すこと、協力すること…」と、抽象的なことがいろいろ書いてあります。例えば、製品に不良が出たときやトラブルがあった時には、その事象を経営理念と行動指針のキーワードに照らし合わせて考えるんです。「これは本当に行動指針に書いてある、『速い事』に沿った行動になっているか」というように。経営理念や行動指針にあるキーワードは、ISOチェックの際にもできるだけコメントに入れ込んでいますね。

当社では現在「みんなでこういう会社にしていこう」という想いは、経営理念をとおしてスタッフに伝わり、そこからさらに新たなメンバーへ伝えていくという形で広がっています。もちろん全ての人が同じ想いをもっているわけではなく、完璧にとはいきませんが、徐々にそういう流れができて想いを共有できていることを実感しているんですよね。

第5回に続く]

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